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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1049号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔主文〕 申立人が別紙記載の増改築をなすことを許可する。申立人は相手方に対し金七一万二、八〇〇円を支払え。

本件借地契約の賃料を本裁判確定の月の翌月から月額四、五七〇円に変更する。

〔決定理由〕一、申立の要旨

申立人は相手方から東京都板橋区上赤塚町八七番宅地九六〇、六九平方米のうち三一七、三五平方米(九六坪)を普通建物所有の目的で賃借しており、同地上に別紙記載の三棟の建物を所有しているが、これを同記載のとおり増改築しようとしたところ、相手方の承諾が得られないので、相手方の承諾に代わる許可を求める。

二、相手方の意見の要旨

本件借地契約は昭和五年一一月一五日に期間を定めずに締結され、昭和三五年一一月一五日に法定更新されたものであるが、申立人が本件増改築の許可を申立てた昭和四四年七月一四日には既に地上建物の朽廃により申立人の借地権は消滅しているので、本件申立は却下されるべきである。

三、鑑定委員会の意見の要旨

本件増改築は土地の通常の利用上相当と認める。財産上の給付額については、過去の慣習、近隣の慣行、現行地代が低廉であること、借地権の残存期間が約一一年であること等を考慮し七一万二、八〇〇円(更地価格を3.3平方米あたり三三万円とし、その2.25%にあたる)を相当とする。現行賃料月額3.3平方米あたり一〇円は昭和三三年から据置かれ、非常に低過ぎるので、地代家賃統制令の計算方式により求めた地代と近隣の現実賃料を比較検討し、月額四、五七〇円(3.3平方米あたり約四七円)に増額するのが相当である。

四、当裁判所の判断

建物の朽廃の点については、取調べた資料によれば、本件現存建物はいずれも相当老朽しており、特に別紙目録記載(一)の建物は荒廃の程度が進んではいるが、未だ朽廃には達していないと認められる。次に本件増改築は土地の通常の利用上相当と認められ、他にこれを不当とすべき事情はないと認められるので、本件申立はこれを許可することとする。附随の処分については、本件増改築の規模、程度、現存建物の老朽度、借地に関する従前の経緯等に照し、財産上の給付、賃料の増額の点につき鑑定委員会の意見のとおり定めるのを相当と認める。(白石悦穂)

現存建物および増改築の内容

一、現存建物

(一) 家屋番号二六三番

木造亜鉛メッキ鋼板葺平家建居宅一棟

建坪 五二、八九平方米(一六坪)

(二) 家屋番号二六番

木造亜鉛メッキ鋼板葺平家建居宅一棟

建坪 26.44平方米(8坪)

(三) 家屋番号二六五番

木造亜鉛メッキ鋼板葺平家建居宅一棟

建坪 26.44平方米(8坪)

二、増改築の内容

(一) 右(一)の建物を全部とりこわし、規模、構造ともこれと同じ建物を新築する。

(二) 右(三)の建物の東側に接続して木造トタン葺平家建居宅床面積12.39平方米(3.75坪)を増築する。

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